スウェーデン留学交流記

[2022.8-2023.6] スウェーデンに交換留学しています

フィールドスタディ 1日目

こんにちは~

 

9月いっぱいで講義形式の授業が終わり、10月からは3週間のフィールドスタディが始まりました。

今回は、スウェーデンの地元中学校において、フィールドスタディ初日を終えた感想を書きます。

1日目は、数学3コマと科学(人類の進化と宇宙の誕生)の授業でしたが、教室内部で自由に観察させてもらい、生徒と話すこともできました!(彼らは英語が流暢です)

教室のスタイルは、正面のホワイトボードに電子黒板(皆さんおなじみエプソンでした)でテキストを投影し、先生はそこに適宜マーカーで例題を書いたり、質問を解説したりしていました。(先生が話していても、生徒は容赦なく質問で遮ります)

教科によりますが、数学は理解度に差が出やすいので、1クラス20人でした。(少人数学級)

机は、二人がけの机を常に向かい合わせにして、自由な席で受けていました。

  1. スマホは授業開始前に預けて、終了後に回収する!:やはり学習の妨げになるそうで、教室に入るときにスマホ回収箱に立てて入れていました。また、マナーモードになっておらず、授業中にスマホがなると、先生は怒っていました。スマホの取り扱いについては厳しく、議論にもなったそうです。それでも先生たちは未だ苦戦しており、日本の学校スマホ持ち込み禁止の例を説明すると、いいな~と言っていました。
  2. 電卓を使用して問題を解く!:一部の問題では、テキストに電卓マークが書かれており、テストにおいても電卓を使って回答することがあるそうです。また、授業で掛け算九九の暗唱に取り組まないせいか、中学生でも九九の表を使いながら問題を解いている生徒が一部見受けられました。
  3. 宿題は基本的に出さない!:授業外における勉強は、やるもやらぬも完全に各自の責任になってしまいます。機会の平等を重視するスウェーデンでは、宿題が基本的に出されないそうです。
  4. 実は日本の数学の授業を参考にしていた!:日本の教育界では、Pisaの影響もあって北欧教育に注目が集まりがちですが、そのスウェーデンが参考にしている授業モデルのひとつが、実は日本の小中学校の数学の授業です。例えば、日本における私の経験では、三角形の面積を求める問題があった際、解を求めること自体が授業の目的ではなく、三角形を二分してくっつけたり、四角形から余白分を引いたりなど、何通りも存在する三角形の面積の解き方を話し合い、自分とは違うやり方に気付くといった体験が重視されていました。先生曰く、スウェーデンも日本式を導入しつつも、依然として問題を解くだけのやり方に固執しがちだそうです。また、日本の方が二学年分くらい数学の内容の進度が早く、日本人は数学ができると言われる所以なのかと感じました。
  5. みんな集中して!:私が知っている日本の授業と比べると、なんとも混沌としていました。授業中に友達としゃべって騒いでいても、先生は全然注意しません。(先生が権威と化し生徒を支配することを避けるため、黙らすことに直接的教育的意義が見出せないためなどが考えられます)板書をする習慣もなく、注意散漫な生徒が多い印象でした。(全員が話している人の方を向く習慣は、日本の躾け教育の賜物のようです)
  6. クリティカルシンキング:これも流行り言葉ですが、言葉だけが一人歩きし、どうやって培えばいい力なのか、日本ではあまり理解が広がっていません。例えば、正誤問題。(ex. 地球上の生命にとって植物は必要か。←スウェーデンの学校では、それがなぜ必要なのか、根拠となる知識を使って考え、互いに説明し合う。)学校で受け身の態度で正しい情報だけを浴びていただけでは、誤った情報に対してその真偽を考える力が身に付きません。
  7. 番外編:・化粧、マニキュア、香水、ピアス、ネックレス等何を身に付けようとお咎めなし(ヨーロッパはこの側面においても表現を大事にするそうです)・問題を解く際は、イヤホンで音楽を聴く人、風船ガムを膨らませる人等、個人に合ったやり方で取り組んでいた(集中しやすいかは別問題)・問題を解く時間は、ホワイトボードに分からない問題と生徒自身の名前を書くと、先生が順々に教えに来てくれる。→これは日本でも応用できるのでは。例えば、早く解き終わった人が、ホワイトボードを見て、分からない生徒に教えに行くなど(教える・教わるの相乗効果)

このように、日本とスウェーデンの学校を比較すると、一長一短が見えてきました。もちろん、世界中の学校はそれぞれ違うやり方をしているので、優劣は比較できません。国民性や習慣を存分に考慮しながら、学べるところを生かしていきたいです。

 

それでは。